2010年09月03日

コーヒーブレイク★

今月は素敵スタイルをお休みして

最近心に残ったお話を一つご紹介したいと思います。




タイトル「縁を生かす」前編




 その先生が五年生の担任になった時、

一人、服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。

中間記録には少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。


ある時、少年の一年生からの記録が目に止まった。

「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。勉強も良くでき、将来が楽しみ」

とある。

間違いだ。

他の子の記録に違いない。

先生はそう思った。

二年生になると

「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」

と書かれていた。

三年生では

「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする」

三年生の後半の記録には

「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」

とあり、

四年生になると

「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力を振るう」


先生の胸には激しい痛みが走った。


だめだと決めつけていた子が突然、

深い悲しみを生き抜いている生身の人間として

自分の前に立ち現れてきたのだ。


先生にとって目を開かれた瞬間であった。



放課後、先生は少年に声をかけた。

「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?

                      わからないところは教えてあげるから」


少年は初めて笑顔を見せた。


それから毎日、

少年は教室の自分の机の上で予習復習を熱心に続けた。



授業で少年が初めて手を上げた時、

先生に大きな喜びがわき起こった。


少年は自信を持ち始めていた。



クリスマスの午後だった。

少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。

あとで開けてみると、香水の瓶だった。


亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。



先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。


雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、

気がつくと飛んできて、

先生の胸に顔を埋めて叫んだ。


「ああ、お母さんの匂い!今日はすてきなクリスマスだ」


六年生では先生は少年の担当ではなくなった。


卒業の時、

先生に少年から一枚のカードが届いた

                     ・・・次号につづく。

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                           〜「心に響く小さな5つの物語」より〜




posted by サンクレストホームズ at 17:22 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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